臨死体験をすると必ず見られるという美しいお花畑と三途の川。私の知人も心臓の手術の際に同じ体験をしている。美しいお花畑の向こうに清らかな流れの小川がありそれを渡ろうとして足を一歩踏み出そうとした瞬間に、後ろから誰がが自分を呼ぶ声を聞いてハッと目が覚めた、あとで聞けば手術終了後に医者が自分の名前を読んでいた、と言う話、よく聞かされる話ではあるが、臨死体験の話で必ず出てくるきれいなお花畑と三途の川、ところが欧米では自分が自身の体から遊離して浮かび上がる「幽体離脱」や、自然の光や神様、親族の明るい姿が見えるという「光体験」が多いという。この違いは一体ナゼなんだろうか?臨死体験とは、科学的仮説として「脳に生理学的・化学的な変化が起きて、これが誘発する幻覚によって生じる」とされる。人類学者ナンディスワラ・テーロによれば、「臨死体験」とは人間の精神が死後に赴く場所であり、時間も空間もなく、そこを訪れた者は無限の知識に触れることが出来るドリームタイム(夢時間)を指しているのだと言う。医学的には、人は死が近づくと「脳内麻薬」と呼ばれる微量物質を分泌し、少しでも命が長らえるようとすると言う。その代表的なものが脳の中脳と呼ばれる部分から分泌されるドパーミンという物質で喜怒哀楽と深い関係があり、意欲を高め、幸福感をもたらす作用があるという。この他、脳下垂体から分泌されるオキシトシンやセロトニンも幸福感をもたらす作用があるという。その幸福感の象徴的なイメージとして現れてくる幻覚が、お花畑であり、きれいな小川(三途の川)なのは、仏教を信じる日本人の国民性に起因しているのでは無いかとされている。ところで、美しいお花畑も清らかな流れの三途の川も出来る限りズーッと後で見ることにしたい、そう思いませんか(笑)