ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

'60年代アメリカ、ヒッピーをトリコにした「チベット死者の書」。

人は死んだあとどうなるのか?これについて語られたチベット仏教の「死者の書」⬆をご存知だろうか。人間の肉体が機能を停止し最後の息が停止したあとの49日間、「死者は意識だけの状態(パルド)となり、もっとも微妙な意識の現れである根源的な光と出会う。しかし、死に至るまでの人生で積み重ねてきた様々な所業の力により、死者の意識はすぐに光の空間から引き戻され、やがて死者の意識にはやさしい姿の仏たちが現れる。そして、次の一週間にはその仏たちが今度は恐ろしい忿怒の姿をとって現れ、様々なヴィジョン(幻影)や音で死者を脅かす。そして最後の一週間、死者の意識はついに新たな母胎を探す再生の旅に入り、次の生へと移行する」。60年代のアメリカで、ハーバート大学のティモシー・リアリー博士がLSD体験とこの『死者の書』に描かれている死者の幻覚体験が類似していることを指摘、当時のLSDを吸いべトナム反戦を謳うヒッピーたちの間で「死者の書」はバイブルとなったのだ。「死者の書」は、死後49日にわたって現れる光や幻影が、すべて死者自身の意識が作り出したもので一切が「幻想」であると何度も強調されている。つまり、『死者の書』とは、チベット仏教における輪廻転生(生まれ変わり)までの死者の「意識」が 49日間かけて歩んでゆく幻想の旅についての「解説書」なのだ。享楽のためのLSD体験で現れる「幻覚」とはまったく別物だろう(笑)