人間の脳は、自分ががんばったり、能力が上がってくることに「喜び」を感じるようにできている。その「喜び」を感じた時、「ドーパミン」という神経伝達物質が脳内に分泌される。スマホでゲームをしたり、SNSでいろんな人たちとつながっていることが「楽しい」と感じるときもドパーミンは出続けている。人間の脳は、「好きなもの」や「楽しいもの」の刺激が入ると、このドーパミンが分泌され、それによって「快感」や「幸福感」を得ることができるというわけだ。スマホを使って楽しいことを繰り返し行いたくなるのは、ドーパミンが放出されて快楽を感じると、脳がそれを学習して再びその行為や行動をしたくなるからだ。スタンフォード大学の依存症治療センターの精神科医アンナ・レンブケ博士は、「スマホの登場によって人類がかつて経験したことがないスケールで「快楽のスパイラル」が発生している」と危惧している。博士によれば、脳内のドーパミン量が下落すると、さらなるドーパミン放出を求めて「もう1つチョコレートが食べたい」「もう1回だけゲームをしたい」という渇望が生まれ、これがドパーミン中毒症状だと語り、こうしたドパーミン中毒を断ち切りたい場合、24時間から1カ月を目安に「スマホ断食」を行うことが必要だと博士は言う。スマホ断食の目的は「適度な楽しみ方」を理解することであり、断食によって脳の回路をリセットし、自分がどれほどスマホに依存していたかを把握することが重要とのこと。とりあえずスマホを「週末だけの利用」「寝室では利用しない」といった特定の使用方法を試みることを推奨したいという。なお、スマホ断食の期間は長ければ長いほどよく、特に渇望が強くなる最初の12時間は「スマホにアクセスできない状態」を作り出すことをレンブケ博士はアドバイスしている。ドパーミン中毒に心当たりがあるあなた、早速「スマホ断食」をお試しあれ(笑)