ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

世界の王貞治監督の目をくらましたイチローのバットコントロール。

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イチロー選手の引退を惜しむ声が日本のプロ野球界のレジェンドたちからも数多く発せられた。中でも世界のホームラン王である王貞治氏のイチロー選手についての回想が興味深かった。「僕はホークスの監督になって何年かやったけど、彼(オリックス時代のイチロー選手)は、とにかく防ぎようのない選手だったね。あれだけ広角に、ピッチャーが一生懸命速い球を投げたり、緩い球を投げたりするんだけど、(彼が打つと)不思議と打球が地面に落ちない、そんな馬鹿みたいに高くなっちゃうんじゃないけど、低く飛んでいくので。ゴロになったらアウトになるケースもあるんですけどね。それと、これは生まれ持った彼の運かもしれないけど、飛ぶコースがいいんだよね。不思議と人のいないところに飛んでいくというかね。神さまじゃなきゃ分からないことだけどね」と自分のすぐ目の前でヒットを量産し続けていた当時のイチロー選手についての印象を語っている。ソフトバンクの監督だった王貞治氏がオリックスに在籍していたイチロー選手と戦ったのはイチロー選手がメジャー入りするまでの5年間、イチロー選手が22歳〜26歳の若さで毎年の打率が350前後という驚異的な数字を残していた頃だ。御年79歳を迎える王貞治氏には失礼だが当時のイチロー選手の打球が「不思議と人のいないところに飛んでゆく」と見えたのは、彼の巧みなバットコントロールに王監督が目くらましされていたからだと思われる。正しく表現するならイチロー選手は「人のいないところに『狙って』打てる」バットコントロール技術があったからこそ王監督と対戦した5年間、毎年のように打率350前後という驚異的な数字をイチロー選手が残せたのだ、と言えるのではないだろうか。