女子プロテニスのグランドスラムを日本人として初めて制覇した大坂なおみ選手。しかしネット上には彼女の日本語が「明らかに日本人の発音じゃないよね」「オオサカを日本人だと素直に思えない自分がいる」「なおみはなおみでもナオミ・キャンベルに近いと思う」などの声が挙がった。大坂なおみ選手はお母さんが生粋の日本人(上の写真)父親がハイチ人のハーフなのだが、世界中は日本国籍の女子テニスプレイヤーだとすでに認識しているようだ。昨日の全米オープンのコート上で行われた優勝セレモニーでも司会者のアメリカ人は「日本人初のグランドスラム制覇です」と大坂なおみ選手を紹介していたし、AP通信のニュースでも「セリーナが日本人の選手に負けたことは問題だ」と記事にし、アメリカでは大坂なおみ選手はすっかり日本人としての扱いをされている様子なのだ。ところがすぐお隣の国と日本人との混血でさえ冷ややかに見下す習性を持つ純血主義の日本人の多くは、カタコトでアクセントも異なる日本語しか話せない大坂なおみ選手をどうしても素直に喜べないでいるようだ。いまや、アスリートの世界ではケンブリッジ飛鳥選手やハキーム選手など日本人と外国人とのハーフの選手は枚挙に暇がないほど台頭してきているのが現実なのに。人種というものが国境を超えてどんどん混ざり合ってゆく現在の地球に住む我々が、狭い視野で純血主義へのこだわりを持ち続けている限り人種間の理由のないレイシズム(差別主義)は決してなくならないことを認識しておくべきだろう。