テニスの全米女子オープンで大坂なおみ選手が元世界女王のセリーナ・ウィリアムズをストレートで下してグランドスラム初制覇を成し遂げた。しかし試合内容は大荒れだった。グランドスラム過去23回優勝の元世界女王は第1ゲームを大坂なおみに先取されるとイライラが募り第2ゲームで客席のセリーナのコーチが警告を受け第5ゲームでブレークを許すとラケットをコートに叩きつけ2度めの警告、第7ゲームでさらにブレークを許すと主審を罵り1ゲームを失う「ゲームペナルティ」まで宣告された。さらにセリーナが抗議を続けて試合が一旦中断するという何とも後味の悪い決勝戦となってしまった。アメリカのメディアAP通信は冷静さを欠いたセリーナを批判すると同時に「一番の問題は日本人初の4大大会勝者となった20歳の若いオオサカに敗北したことだ」と報じ、ニューヨーク・タイムズは「オオサカはサーブでウィリアムズを圧倒した」と伝えている。産後明けのセリーナに優勝させたいアメリカ人観客の激しいブーイングを受けながらの大坂なおみのグランドスラム初制覇、試合後のインタビューの冒頭で記者の質問を遮り「みんなが彼女(セリーナ)を応援していたのを知っています。こんな終わり方ですみません」と観客席に向かって謙虚に語りかけ、さらにはセリーナに向かって「プレーしてくれてありがとう」とペコリとお辞儀をして感謝の気持ちを表した。大坂なおみのこの日本人らしい謙虚さ溢れる態度に観客席は呆気にとられて一瞬静まり返った。現在日米の二重国籍の彼女だが、日本人のDNAを持った大坂なおみ選手のアッパレすぎる優勝セレモニーだったと言えるだろう。