平昌オリンピックスノーボードのハーフパイプで100%金メダルと目された19歳の平野歩夢が31歳のベテラン米国のショーン・ホワイトに敗れ去った。オリンピックには魔物が棲むと言うが、今シーズン実力ではホワイト選手を上回っていた筈の平野選手はオリンピックの大舞台でなぜ敗れてしまったのか。平野選手は2回目に縦2回転横4回転のダブルコークの大技でホワイトの得点を上回っていたのに3回目でダブルコークでバランスを崩して失敗、これに反してホワイトは彼にしかできない決め技「ダブルマックツイスト1260」(前回転+横1回転半)を繰り出し、土壇場で平野を逆転してみせた。しかもホワイト選手はこの真剣勝負の真っ最中にスマホ片手にインスタグラムをやっていたというから驚きだ。1回目の直後には「とりあえず現在トップだよ」2回目の直前には「調子が良すぎる」そして平野を逆転した3回目の前には「落ち着きを取り直して最後に備えよう」と余裕の投稿をしていたのだ。試合中の日本人平野選手にスマホ片手に同じことをする心の余裕があっただろうか?金メダルを取る事ばかりに焦っていた平野選手の心理状態とは違ってホワイト選手は試合の真っ最中に自分を落ち着かせるためにインスタグラムを連発していたという心の余裕。オリンピックに魔物が棲むとは、プレッシャーによって心の余裕を失うと言う意味だ。ホワイト選手はダブルコークの技ではなくインスタグラムを使って「魔物」を退治し、見事に金メダルを掴んだという事になる。まだ19歳の平野歩夢選手は31歳のベテランホワイト選手の心の「余裕」に負けてしまったのだ。