東日本大震災で被災した体験を持ち、『大切な家族を守る「おうち防災」』の著者である防災コンサルタント奥村奈津美さんが、大地震などの災害時にまず一番に確保すべきなのは、水でも食料でもない、という。奥村さんは、「最も優先すべきものは、自分の体の一部になるものです。たとえば、メガネや補聴器、義歯、医療機器やそのバッテリー、薬など、それがないと命をつなぐことが難しくなるモノです。これらのものは、自治体で備蓄していませんし、水や食料のように支援物資では届きません。たとえ届いたとしても、時間がかかります。できれば、予備のものを購入して防災袋に入れておくと良いのですが、難しい場合は、非常持ち出し袋に入れるものリストとして貼っておくと、イザという時の入れ忘れを防げます」とアドバイスしている。次に必要なのは、「体から排出されるモノに使う消耗品、携帯トイレも入れておきましょう。避難所など公共のトイレは長蛇の列になります。せめて1日分の携帯トイレを入れておくといいでしょう。トイレットペーパーも必需品。アルコールの入っていないウェットティッシュ、女性は生理用のナプキンも入れておくと、下着を着替えられなくても、デリケートゾーンを清潔に保つことができます」と、被災体験者ならではの貴重なアドバイスをしている。