ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「熱いトタン屋根の猫」の作者は「熱いトタン屋根の猫」だった。

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「熱いトタン屋根の猫」はアメリカを代表する劇作家テネシー・ウィリアムズの戯曲で1955年にニューヨークで初演されその年のピューリッア賞を受賞した作品だ。彼の戯曲は奇抜なタイトルの作品が多い事でも知られ、A Streetcar Named Desire (欲望という名の電車)Suddenly, Last Summer (去年の夏突然に)、The Glass Menagerie (ガラスの動物園)などそのタイトル名だけを記憶している人も多くいる筈だ。テネシー・ウィリアムズは'70年代当時のアメリカではヘイトクライム(憎悪犯罪)の対象とされていた同性愛者であり、1979年フロリダのキー・ウェストで5人の少年に同性愛者というだけで絡まれて殴打され重症を負っている。80年代の晩年には死や孤独に対する恐怖からアルコールやドラッグが手放せない生活になり、1983年ニューヨークのホテルでボトル・キャップを喉に詰まらせた状態で窒息死しているところを発見された。警察は単なる誤飲事故による死亡ということで事件性を否定したが今なお「他殺説」が根強く疑われている。ところで彼の代表作の一つである「熱いトタン屋根の猫」とは劇中の誰を指すのだろうか、この劇の主人公ビッグダディの次男で同性愛者のブリックの妻マギーが夫婦関係が無いため欲求不満に陥ってる状態を指してテネシー・ウィリアムズが「熱いトタン屋根の猫」と題名をつけたとされているが、男性秘書との同性愛やドラッグ中毒そして不審死に至るまでの彼の人生を見ると、テネシー・ウィリアムズ本人こそが「熱いトタン屋根の猫」だった、と言えるかも知れない(笑)