ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

ヘプバーンの下手ウマのおかげで名曲になった「ムーンリバー」。

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 名曲「ムーンリバー」の歌手と言えば誰しもがアンディ・ウィリアムスをまっ先に思い浮かべるだろう。事実、彼はこの曲によってミリオンセラーの大ヒットを記録したのだから間違いでは無いだろう。しかし、この名曲を1961年の映画「ティファニーで朝食を」のなかで最初に歌ったのは、かの有名な大女優オードリー・ヘプバーンだった。しかし、この映画の監督ブレイク・エドワーズはヘプバーンが歌手としては不適当だと考え最初はこのシーンを吹き替えにする予定だったと言う。この歌の作曲を担当したヘンリー・マンシーニは主演女優であるヘプバーン本人に歌わせる事にこだわり彼女の狭い音域でも歌える曲にしようと1カ月もの労力を注いで「ムーンリバー」を完成させたと言う。それでもこの映画のプロデューサーのマーティー・ラッキンはヘプバーンの歌唱力を尚も疑いこのシーンをカットしようと言う騒ぎにまで発展したと言う。結局はヘプバーン本人の強い主張が通り「ムーンリバーを彼女が歌うシーン」はカットを免れたのだとか。多くの歌手がカバーしたこの名曲について作曲したヘンリー・マンシーニは後年「ムーンリバーはアンディ・ウィリアムズやフランク・シナトラなど多くの歌手にカバーされたがオードリーの歌こそ決定版だ。僕がこの歌に望んだすべてを(彼女の歌声は)超越している」とさえ絶賛している。人々の心に届く音楽は「歌唱力」がすべてでは無い、下手ウマで歌う方がかえって心に響く曲になることだってあるんだ、とマンシーニは言いたかったのかも知れない。さっそく、You tubeでオードリー・ヘプバーンが歌う「ムーンリバー」をあらためて聞きなおしてみて、心に残る名曲とは何かについて考えてみたい。