ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「調子外れ」で大歌手になれたアストラッド・ジルベルト死去。

1960年代のヒット曲「イパネマの娘」など、ささやくような独特な歌声で世界的な人気を得たブラジル生まれのボサノバ歌手アストラッド・ジルベルトさん ⬆が83歳で死去した。1959年にギタリストのジョアン・ジルベルトと結婚、1963年アメリカ合衆国に移住。彼女はプロの歌手として歌ったことはなかったが、彼女の歌声にプロデューサーのクリード・テイラーが目をつけ、彼女が英語で歌う「イパネマの娘」が作られ、これがアメリカを中心に 世界的に大ヒットした。アストラッドは、当初歌手でもあった夫ジョアンの歌い方を真似たりして何となく歌っていたが舌足らずの英語と可憐な声と見た目の可愛いさも手伝って、プロデューサーが「これぞヂサフィナード!新しい!」と歌手 としてのデビューを果たしたのだった。「ヂサフィナード」とは、ビブラートせず、わずかな声量で、不安定な音程で歌う、ボサ・ノヴァ独特の歌唱法であり、「調子外れ」のアストラッドの力を抜いた歌い方はボサノバのメロディーに良く合い、彼女を「ボサノバの女王」と呼ばれる大歌手にまでしたのだ。彼女は「ボサノバの女王」として世界的に有名になったが、ボサノバの本場ブラジルでは評価があまり高くない。その理由は、彼女が英語でボサノバを歌っていたせいだった。しかし、「調子外れ」の歌い方で世界を席巻したアストラッド・ジルベルト。YouTubeで彼女が歌う「イパネマの娘」をぜひご視聴あれ。