ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「くだらない」と作曲を断られたエディツト・ピアフ「バラ色の人生」。

フランスが生んだシャンソンの女王エディツト・ピアフ、彼女の代表曲といえば何と言ってもLa Vie en Roseバラ色の人生だろう。この曲はルイ・アームストロングをはじめ多くの一流アーティストがカバーしスタンダードナンバーとなっている名曲だ。「♬彼は私だけを見て、私はずっと彼だけを見て生きる、彼がそう言ってくれたの、一生そうすると言ってくれたわ」ピアフはこの詞を書き「愛の讃歌」の作曲家マルグリット・モノーに作曲を依頼するとモノーは歌詞を見るなり「くだらない」と曲をつけるのを断ったという。1946年、ピアフは自力で作曲をし「バラ色の人生」を何とか完成させた。作曲家モノーが「くだらない」と言ったこの詞は、実はピアフの愛弟子イブ・モンタンへのオマージュ(ある人に捧げるもの)としてピアフが書いた詞だった(⬆モンタンとピアフ)。パリのスター歌手だったピアフは、イタリア移民の子であったイブ・モンタンの歌の才能に惚れ込みスター歌手になる「い・ろ・は」を徹底的に教えこんだ。やがて「枯れ葉」の大ヒットでスター歌手の仲間入りを果たしたイブ・モンタンを見てピアフは「もはや彼には私が必要ない」と悟り、弟子であり愛人関係にもあったイブ・モンタンから自ら身を引き、モンタンとの想い出を込めて自ら作詞・作曲したのがこの「バラ色の人生」だったのだ。YouTubeで、エディット・ピアフが、朗々と歌い上げるこの名曲をぜひご視聴あれ。