
インフルエンザウイルスは非常に感染力が高いことで知られ、感染者のせきやくしゃみなどで放出されるエアロゾルに加え、汚染されたドアノブやスマートフォンなどを通じて感染するという。そんなインフルエンザウイルスに感染した人と健康な人を同じ空間に閉じ込め、数日間一緒に過ごしてもらうという実験を、米国メリーランド大学医学部の研究チームが行った。実験ではインフルエンザウイルスの感染者5名と健康な「被験者」11名が参加し、お互いが混ざった状態でホテルの一室で過ごしてもらった。被験者らはこの状態で3~7日間にわたり、同じ室内で一緒に過ごした。被験者らは近距離でカードゲームをしたり、ダンスやヨガのクラスに参加したりしたほか、マーカー・マイク・タブレット端末などの物品を共有した。研究チームは被験者の呼気や唾液、口腔(こうくう)をぬぐった綿棒などのウイルス濃度を測定することで感染経路をモニタリングした。実験の結果、いずれの被験者からもインフルエンザウイルスに感染した証拠は出なかったという。その理由として、室内にあったファンによる強力な空気循環が、ウイルスを含んだ空気を拡散していたためだった。つまりウイルスは、感染者の周囲に滞留せずに拡散され、結果として健康な被験者が吸い込むウイルスの量が少なかったことが感染を防いだと言うわけだ。この実験結果から、家族にインフルエンザの感染者が出たら「空気清浄機」でこまめに室内換気をすれば、2次感染を防ぐことが出来そうだ。