名曲「オーバー・ザ・レインボウ」(虹の彼方に)は、1939年のミュージカル映画『オズの魔法使』の中でジュディ・ガーランドが歌って⬆大ヒットした曲だ。 エドガー・イップ・ハーバーグ(Yip Harburg)作詞、ハロルド・アーレン(Harold Arlen)作曲で1939年のアカデミー歌曲賞を受賞した。この映画の劇中歌の作曲を担当したハロルド・アーレンはこの曲の出来が気に入り、さっそく作詞を担当するハーバーグに曲を聴かせたが、ハーバーグは当時17歳の主役ジュデイ・ガーランド扮する主人公ドロシーが歌うには大人びていると言い、あまり乗り気ではなかったという。しかし、結局ハーバーグが折れて作詞し、ジュディ・ガーランドの歌でサウンドトラック用の録音もされ、彼女がこの曲を歌うシーンの撮影も行われた。ところが、映画の編集段階になって撮影所幹部たちから、17歳の少女ジュデイガーランドが歌うには大人びた歌過ぎてふさわしくない、とクレームがつき、「虹の彼方に」の歌唱シーンは危うくカットされかけた。しかし、映画のプロデューサーであったアーサー・フリードは、ジュデイガーランドが歌う「オーバー・ザ・レインボウ」をすっかり気に入ってカットに猛反対、この曲は予定通り映画に挿入されたのだという。後年、ミュージカルスターとして一世を風靡するジュディ・ガーランド17歳の歌声の素晴らしさをいち早く見抜いたプロデューサーの慧眼(人を見抜く眼)が、「オーバー・ザ・レインボウ」の大ヒットを生んだのだ。