北朝鮮は、国際社会が課している「対北朝鮮制裁」の網をかいくぐり、どうやって金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長のベンツなど高級乗用車を搬入してるのか、世界中が不思議に思っている事柄だろう。そんな中、国連安全保障理事会の「対北朝鮮制裁委員会」が先日、年次報告書を公開したことで密輸ルートが思いがけない形で露見してしまった。国連の報告書には北朝鮮が秘密裏に持ち込んだと明らかにされた車両はメルセデス・ベンツ・リムジンとロールスロイス・ファントム、レクサスLX570だという。北朝鮮がこれらの該当車両を導入した時期はいずれも「対北制裁決議案」が発効された後の事で制裁委員会は「明白な制裁違反」としつつも北朝鮮にどうやって流入したかについての説明部分を削除した形で発表したのだ。その理由は今回の報告書の内容を見た中国が不満を提起し、「流入経路」についての部分を削除させたために発表が延期されたのだという。つまり『中国を通じた流入』という具体的なベンツの搬入経路を明かせないままで制裁委員会は報告書を発表せざるを得なかったというわけだ。中国は「報告書」の中の搬入経路の部分を削除するよう抗議したことで自ら墓穴を掘った様なものだろう。北朝鮮のベンツなどの高級乗用車は先ず、偽装業者を通じて中国に1次輸入し、中国国内⇒北朝鮮国内へ陸路を使って密かに搬入するという方法を取っているのは周知の事実なのに。つまりは北朝鮮制裁の世界各国による「包囲網」と言っても北朝鮮と陸続きの中国がベンツの「陸送」を黙認し続けている限り、金正恩は次々とあたらしいベンツに乗り続けられるという訳なのだ。