ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「きょう浮気する貴方を見た」切々と歌うナンシー・ウィルソン死去。

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米国を代表するジャズ歌手でグラミー賞を3度受賞しているナンシー・ウィルソンがロサンゼルスの自宅で死去した、81歳だった。歌声が透き通るような透明感のあるヴォーカルでつねに完璧なジャズ歌唱力を見せ続けてきたナンシー・ウィルソン。Sing Like Talking(話すように歌う)つまり語りかけるように歌う彼女のJazzは実に魅力的だった。とりわけ代表的なのが1952年のブロードウェイ・ミュージカルNew Faceの中で歌われたGuess Who I saw Today(今日私は誰を見たと思う?=you tube参照)をカバーした彼女の熱唱は実にドラマチックだ。深夜の夫婦の会話シーン「おかえり遅かったわね」「マティーニでも作りましょうか?私も飲みたい気分なの」「私にとって大変な1日だった。今日いったい誰を見かけたと思う?」「街に買い物に行っておしゃれなカフェバーに入ったの、席についてからバーカウンターにいる熱々ののカップルを発見したわ」「ねえ、誰を見たかわかる?」「こんなショックを受けたのは初めてよ、頭の中は真っ白、夢中でドアに向かったわ」「ねえ誰を見たと思う?」「あなただったのよ」まるでテレビドラマのワンシーンでも見てるかのように視聴者をハラハラさせる場面へと誘い込むナンシー・ウィルソンが歌の途中でタメ息まで付いてみせるSing Like Talking(話すような歌い方)、ただのジャズの歌い手ではなくエンターテイナーとしての魅力に満ち溢れていたナンシーの歌唱力、ショウビジネス界のスターとして輝き続けた81年間の人生、ご冥福を祈りたい。