GWの最中にメジャーリーグのイチロー選手についての衝撃的なニュースが飛び込んできた。イチロー選手がマリナーズ球団の特別アドバイザーに就任し5月3日以降、今季の残り試合のすべてに出場しないことになったと言う。ということは事実上の引退なのに球団側の説明では来シーズン以降の出場は可能だという。このあいまいなイチロー選手への処遇が意味するところは何なのだろう。それは、マリナーズ球団がイチロー選手のプライドをいかに傷つけずに本人に対して事実上の引退を言い渡すか、ということにおもんばかったからだ。今シーズン開幕から1ヶ月間のイチロー選手の成績は全29試合中15試合に出場し先発したのは13試合、ヒットはわずか9本で打率は2割5厘という惨憺たる結果だった。4月半ばにはすでに「イチローに戦力外通告か」というニュースまで飛び交っていた。こうしたなか、球団としてはイチロー選手のプライドを傷つけない「落としどころ」を探った結果、「戦力外通告」ではない今回のあいまいな発表内容になったというわけだ。奥歯に物が挟まったような、そして明らかな事実上のイチロー選手の引退発表劇、演出したのはイチロー選手を球団の広告塔として何とか引き留めたいスタントン会長だった。会長は発表後の記者会見で今回の処遇について語っている。「イチローは球界史上最高の選手であるだけでなくマリナーズ球団史上最高の選手の1人。イチローはこのファミリーの大事な一員で、永遠にそうあってほしいと思っているからです。これから新しいページを開くことになりますがそれが永遠につづくことを願っています」今回の処遇はイチロー選手のプライドを傷つけずに名誉の花道を用意したスタントン会長の頭脳的な名プレイであったと思われる。