小池都知事は、昨日の記者会見で「大山鳴動してネズミ一匹ですか」と記者から質問されて気色ばんだ。オリンピックの会場見直し案で、ボート・カヌー会場と水泳会場の2か所が当初の会場案に戻され、バレーボール会場も最初の案に戻りそうな気配に、記者から怒りを込めたこの発言が飛び出したワケだが、質問を受けた小池都知事は「それはまったく当たりませんね」と真っ向から反論、さらに、「すでに見直すことで2000億円削ったと言われているがさらに予算を削ることができた。その点を見過ごしてるのでは」さらに怒りが収まらない知事は「ネズミどころか頭の黒いネズミがいっぱい居ることが(見直しで)わかったじゃないですか、入札の方式はどうなんですか」と記者に迫った。この発言のポイントは、「頭の黒いネズミ」の存在と「入札の方式」の2点である。つまり、頭の黒いネズミとはオリンピック会場の建設工事を受注している大手ゼネコンを指すのであり、その工事の受注を受けた入札に不審な点がある、というのだ。小池都知事が記者に尋ねたのは「貴方たちは建設工事の入札方法について突き詰めた取材をしているのか」という疑問である。辞典によれば頭の黒いネズミとは、「黒い髪の人間をネズミに擬えて、モノをかすめ取る輩を指している」言葉である。売り言葉に買い言葉で小池都知事は触れてはならない大物政治家まで巻き込むであろうタブーの部分つまりゼネコンという巨悪に果敢にも挑んだと言うわけだ。巨大な頭の黒いネズミを捕えるだけの度量が彼女には果たしてあるのだろうか。やはり再び「大山鳴動してネズミ一匹」となってしまうのかどうか、今後の動向に注目したい。