スマートフォンの充電には時間がかかるので、寝る前に充電ケーブルにつないで朝には100％フル充電の状態にしておきたいと考えている人が多いはず。ところが、Apple社は「通常のiPhoneのバッテリーは、通常の条件下で使用された場合、フル充電サイクルを500回繰り返した後も本来の蓄電容量の最大80％を維持するよう設計されています」とし、実際に2021年にAppleが発表した調査では、2019年当時市場に出回っていたスマートフォンは、平均して850回のフル充電サイクルで容量が80％以下になるという結果が得られている。クイーンズランド大学で情報通信技術を教えているRitesh Chugh教授によると、「一晩中スマートフォンを充電するのは無駄な上にバッテリーの劣化を早めます。バッテリーの寿命を最大限に延ばすためには、フル充電、つまり0％から100％まで充電するのは避けるべきです。SNSを欠かさずチェックしたい人やゲームアプリをよく遊ぶ人など、出先でバッテリー切れにならないように100％までフル充電をしたいという人がいますが、フル充電にはバッテリーの寿命を縮めるという弊害があります。スマホの充電は80％までとし、20％以下にならないようにすることをお勧めします」とアドバイスしている⬆。また、Chugh氏はスマホのバッテリーの性能を維持するために、スマホメーカーの純正品や認証済みの充電器を使う、スマホを高温にさらさない(0℃から35℃の周辺温度が最適）、バッテリーの残量は20％以上80％以下をキープする、３点をあげている。
