イギリスで人気のドラマシリーズ「ブラック・ミラー」の脚本家を務めるチャーリー・ブルッカー氏は、AI (ChatGPT)に「ブラック・ミラーの脚本を書いて」と頼んでみた。その結果、AIは「一見するとまともそうなブラック・ミラーの脚本」を生成してくれたという。しかし、脚本をじっくり読んでみると「ブラック・ミラーのこれまでのエピソードをごちゃ混ぜにしたもの」に過ぎないことがわかった。これを読んだブルッカー氏はAIが生成した脚本をshit (クソ、ナンセンス、くだらない)と一蹴し、「AIが生成する脚本にはオリジナルのアイデアが一切存在しないとわかった」と憤慨している。AIは脚本っぽいものを生み出すことはできるが、「脚本を作って」と頼むだけで本番で使えるだけの品質の脚本を作ることはまだまだ難しいことのようだ。AIは、そもそも創造的行動というものを学習したり、人間の創造的プロセスを模倣したりすることで、新しいものを作り出そうとする。しかし、AIは生身の人間のようにアイデアのひらめきや体験そのものができないため、本当の意味での「創造力」を持つことはできない代物だ。ドラマの脚本や文学やアート作品にとって必要な「創造力」は、傷をつけても血が出ず、つねっても「痛い」と言えないAIには、持つことができない能力と言えるだろう(笑)