ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「一流大卒も三流卒も10年後の成果は一緒」日本電産永守会長。

精密小型モータの開発・製造において世界一のシェアを持ち、1兆6千億円の売上を誇り、社員11万人を擁する大企業である日本電産。創業者で現会長の永守重信氏⬆は、自身が、職業訓練大学校卒であるためか、若者を駄目にしている我が国の偏差値に偏重した教育を批判し続けている。日本電産では、これまで多くの大卒・院卒者を採用してきたが、あるとき永守会長は「社員の出身大学と仕事の成果に、どのくらい相関関係があるのだろうか」と疑問に思い、直近十数年で採用した新卒の社員一人ずつについて仕事の成果のデータをとってみたという。すると、一流と呼ばれる大学を出た社員も、世間では三流と呼ばれる大学を出た社員も、入社後10年ほどの時点では仕事の成果に大きな差がないことがわかった。永守会長は「私のみる限り、偏差値の高い大学を出ているのに成果をあげていない人というのは、与えられた仕事はうまくこなすものの、自分から率先して仕事をとってきたり、創意工夫して良い方法を考え出したり、状況の変化に応じて自ら判断して動くことが少ない。一般的に上司の指示を待っている「指示待ち族」が多いように思う。 一方、偏差値の高い低いにかかわらず、何かに打ち込んできた人や個性の光る人は、何でも前向きに取り組み、人が嫌がるような雑務もこなす気概がある。こうした人たちは、自ら問題意識を持って仕事に臨むため、みるみる実力をつけていき、入社してから数年後には大きな成果を出している。結局、入試のときの偏差値が高い大学を出たからといって、社会に出てから活躍できるというわけではないのである」と永守会長は結論づけている。