SNS上の掲示板に「スマホの無かった頃、ヒマなときどうしてた?」というスレッドが立っているのをよく見かける。スマートフォンが世の中に登場してパソコンを使わずに携帯電話でインターネットが操作できるようになったのはつい10年前、今では四六時中スマホとにらめっこする生活を送る人がほとんどだが、言われてみれば10年前の我々はヒマなときをどう過ごしていたのだろうか?「外で遊んでたし、電車とか友達と乗って過ごしてた。でも今は友達がいなくてもネットでヒマつぶしできる。(スマホのない時代は)ヒマが経済を動かしてた」「本屋で立ち読み。ゲームセンター。もう殆ど無い文化だね。言われれば本屋というものがもう無い」「雑誌をすごい読んでたな、買ったり立ち読みで」「CDやビデオを借りに行く、ゲーセンに行く、本屋に行く、バッティングセンターに行く、100均に行く、大型スーパーに行く」「テレビ見て飽きたら寝る、ラジオ聴いていつのまにか寝る、本読んで疲れてきたら寝る」「リア充(現実の充実感)なんて概念が無かった。オタクだろうが不良だろうが皆んな誰かとツルんでた。行動力があったなみんな」などなど。これらの思い出話を聞くと、いま、本屋さんやビデオ店、ゲームセンターがどんどん潰れてゆく原因がスマホの普及と因果関係が深いことが実によく分かる。そして新しいヒマつぶしの方法をスマホで手に入れた若者達から生まれた「リア充」というネット用語、スマホにに入り浸る若者達が、現実生活が充実していないことを自虐的に表現したこの言葉こそ、まさにスマホを手にした10年前に置き忘れてきた「大切な何か」を教えてくれているように思われる。