120年前の明治34年(1901年)1月2日と3日の2日にわたって『報知新聞』が紙面に掲載した未来予測記事『二十世紀の予言』⬆。電気通信、運輸、軍事、医療、防災などの23項目について、100年後の20世紀に実現するであろう科学・技術の内容を予測している。①無線電信及電話(携帯電話 や国際電話 などで実現)②遠距離の寫眞(カラー写真電送として実現)③野獸の滅亡(絶滅危惧種が増えていて半分的中)④サハラ砂漠(砂漠の緑化事業ということでは半分的中)⑤七日間世界一周(ジェット機での海外旅行が普及し実現)⑥空中軍艦空中砲臺(爆撃機や戦闘機による空中戦ということで的中)⑦蚊やノミの滅亡(衛生状態や殺虫剤の進歩による害虫の減少で半分的中)⑧暑寒知らず(エア・コンで実現)⑨植物と電氣(電気で水耕栽培を実現。品種改良や遺伝子組み替えで半分的中)⑩人声十里に達す(電話機で実現)⑪写真電話(スカイプやスマホで実現)⑫鉄道の速力(東京神戸間2時間半は的中)⑬市街鉄道(地下鉄やモノレールなど新交通システムの登場で的中)⑭暴風を防ぐ(台風を雨に変える技術は未だ実現していない)⑮人の身幹(身体が六尺(約180cm)以上に達すは半分的中)⑯医術の進歩(電気メス、内視鏡、局部的なエックス線照射による治療方法の確立など的中)⑰自動車の世(モータリゼーションの到来を言い当てている)⑱人と獣との會話自在(盲導犬や警察犬などの出現で半分的中)⑲幼稚園の廃止(子どもを預けて働く保育園の普及で半分的中)⑳電気の輸送(琵琶湖の水を用い米国はナイヤガラの瀑布によりて電気を起すは、ナイヤガラで実現)㉑鉄道の連絡(アメリカ大陸・ヨーロッパ大陸・アジア大陸・アフリカ大陸・オセアニア5大陸を貫通して自由に通行する鉄道は実現せず)㉒電気の世界(薪炭石炭共に枯渇し電気が代りて燃料となるべしは、石油が抜けているので半分的中)㉓買物便法(通信販売(ネットショッピング)として実現)。いずれの項目でも 100年後の日本の姿がほぼ正確に予測されていることに驚かされる。しかし、たったひとつ残念なのは、予言した明治34年(1901年)からわずか44年後(1945年)に2つの原子爆弾で日本が敗戦する事を予想できていなかった点だろう。