ワイヤレスによる電力の伝送(充電)は、現在充電器の上に載せる方式でスマートフォンなどの携帯電話や電気自動車の充電にすでに実用化されている。この充電方法を画期的に変えるのが、マイクロ波の電波を輻射して電力そのものが空中を飛んで伝送する方法で、アンテナから数メートル~数キロメートル離れていても、充電機器に電力を供給できるという夢のような電力の空中伝送システムだ(⬆上手参照)。このマイクロ波を使ってデジタル機器に遠隔から給電できる技術が日本ですでに実用化段階に入っているのをご存知だろうか。総務省は2020年度年内に3帯域で専用の電波を割り当てる方針を決め、パナソニック、オムロン、東芝、が無線の使用をすでに届け出ている。日本は官民挙げてこの新技術のビジネスへの実用化を世界に先駆けて急ぐという。今後10年以内には、バスなどの大型自動車への給電や、自宅や公共スペースに設置された自動給電施設を通じて電気自動車へのワイヤレス電力伝送が可能となり、スマホなどの情報通信機器、家電などに対し、マイクロ波空間伝送型電力伝送による給電が可能になると想定されている。電話やインターネットなどの通信が有線から無線の時代になったのと同じように、エネルギーである電気も有線から無線へと切り替わり、それが当たり前となる日はそう遠くないところにまで来ている。ニッポンの技術ココに有り、と言えるだろう。