ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

浮かれてイイのか?大阪万博、'70年万博の後に来た不景気を忘れてる。

f:id:gunjix:20181124214324j:plain

2度目の開催となる大阪万博が決定した。2025年5月~11月の7ヶ月間にわたって開催予定で大阪市湾岸部の人工島「夢洲(ゆめしま)」が会場となり、テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だという。テレビは新聞号外の市民への手渡しの様子や大阪市民が喜ぶ姿を繰り返し中継していたが万博開催は果たして大阪の景気を良くするイベントになるのだろうか。48年前の第1回大阪万博では万博史上最高の来場者数6400万人という空前とも言える来場者数を記録した。今回2度目の大阪万博では少なく見積って2800万人の来場者数を目標にしているという。前回の万博の来場者数の半分以下の数字目標だ。それというのも'80年代以降、東京ディズニーランドや長崎のハウステンボス、大阪のユニバーサルスタジオなど日本中の至る所に大型のレジャー施設が誕生している中で、万博というイベントに人々の関心がどれだけ集まるのか予測が難しいからだ。会場となる人工島「夢洲」は大阪の「負の遺産」ともいわれ、当初は大阪が招致を試みた2008年の夏季オリンピックの会場候補地とされたが、これに敗れて万博招致に切り替えたといういわく付きの場所であり、万博終了後にはこの島にカジノを誘致する計画があるという。そして忘れてならないのが万博が仮に成功したとしても'70年大阪万博が成功裡に終わった後に来た長い不景気だ。国内有数の集積を誇った大阪の繊維産業が斜陽化し、商社や銀行をはじめ名だたる大企業が本社を東京に移す動きが相次ぐようになり、大阪の地盤沈下が急速に進行した万博後の惨状を思い出すべきだろう。オリンピック招致に失敗したから代わりに万博招致、その後にはカジノ誘致という次々と安易な発想を繰り返す先に、大阪の輝く未来は果たしてあるのだろうか。まさにいま「未来都市構想」の正念場の時が万博と一緒に大阪にやってきている、と言えるだろう。