亡くなった人と仮想上の会話ができる「チャットボット」技術の特許を米マイクロソフトが取得してネット上で物議をかもしている。「チャットボット」とは耳慣れない言葉だが、「チャット(Chat)」をする「ロボット(Robot) の合成語で「自動でおしゃべりするプログラム」をAI(人工知能)で組み込んだロボットという意味だ。マイクロソフトが特許を取得したのは、特定の人物(過去または現在の人物)をモデルとして会話のできるチャットボットを作成する技術。友人や家族、知人、有名人、架空の人物、歴史上の人物などのチャットボットを作成できるという。例えば故マイケル・ジャクソンと音楽について語り合ったり、亡くなった祖母の知恵を借りたりすることも、理論的には可能になる。亡くなった人とリアルな会話をすることは本当に可能なのだろうか。マイクロソフト社のAIプログラム担当オブライエン氏によれば、亡くなった人の画像やSNSの投稿、メッセージ、音声データ、手紙といったあらゆる情報を集め、そのデータを使ってチャットボットをトレーニングして、その人物の人格で会話や交流ができるようにするのだそうだ。オブライエン氏は「亡くなった人の会話スタイル、話し方、口調、声、意図、文や対話の長さ、複雑さ、話題、一貫性といったその人物の会話の特長をAIにすべて学習させる」と述べ、関心事や意見などの行動属性や、年齢、性別、職業といった分類情報も使うことで、まるでその人物が生き返ったように会話ができるのだという。この「チャットボット」製品化が期待されるが、マイクロソフト社はこの技術で特許を取得したが当面製品化する予定はないとのこと、残念。