昨日、米韓空軍が合同で行った戦闘訓練を非難し「米朝首脳会談」の中止の可能性を示唆した金正恩。会談を前に、アメリカ人人質3人を解放したり、首脳会談からわずか40日後に中国を再訪したり、金正恩はめまぐるしい動きを見せていたが「会談中止」をチラつかせた事で会談に臨むホンネが見えてきた。トランプ大統領は、核を巡っての過去の米朝交渉を「失敗の25年」と呼んでオバマ氏を始め歴代大統領の交渉失敗を非難している。しかしトランプ大統領を以ってしても北朝鮮の核放棄実現は「ありえない話」だ。中国の習近平国家主席は金正恩の再訪を受けたあとトランプ大統領と異例の電話会談を行い米朝交渉を「性急に事を運ばないよう」クギを刺した。つまり段階的に核放棄の交渉を勧めてゆきたい金正恩の腹の内を代弁したのだ。急に世界の表舞台に顔を出すようになった金正恩は、かなり頭が良さそうに見える。世界中からの「経済制裁」によって疲弊してしまった国を立て直すために「核放棄」をキーワードとして上手く使いながら「経済制裁」を何とか解きたいと思っているようだ。しかしトランプ大統領の言う「失敗の25年」の根底にあるものは北朝鮮の「核立国」という考え方だ。「核を持つことで国際的な立場を優位に保てる」金一族3代に渡って脈々と受け継がれてきたこの「核立国」という考え方を3代目金正恩がトランプ大統領の思惑通りにやすやすと手放すものだろうか?まったく以ってありえない話だろう。今回の北朝鮮側が苦し紛れに持ちかけてきた首脳会談、そして「会談中止」をチラつかせる常套手段。6月12日は「経済制裁」で金正恩を絶体絶命に追い込むために、トランプ大統領が「途中で席を立つ」パフォーマンスをぜひ実行すべきだろう。