小説『終わった人』、『すぐ死ぬんだから』、『今度生まれたら』など 老後をテーマにした話題作を次々発表している内館牧子さんが老後小説に取り組む姿勢について語った。「ある雑誌のインタビュー記事に書かれた内館牧子さん(70)」の(70)にすごくショックを受けたんです。(69)とは全然違うなあと。29歳から30歳になった時と同じような衝撃でした。その時に70歳の主人公を描いてみたいと思ったんですね」 「女性誌でもなんでも「いくつになってもチャレンジできる」「年齢は関係ない」って言うけど、今から私がボルダリングができるかと言ったら、さすがに…できないです(笑)。やっぱり自分のことを考えても、何かをやるには「時」がある、そう思うの。30代、40代はなんだって挑戦したらいいと思うし、私自身、50代で大学院に入り直してね。当時は、年齢なんて関係ないと思っていました。 50代はまだ体力もあったけれど、(70代の)今は絶対にできない。私、修了した時は、70歳までに博士課程に通って博士号を取ろうと思っていたのね。年齢は関係ないと思っていましたから。だけど無理無理!50代と60代と70代はやっぱり違う。やるべき「時」があるなあって実感しましたね」「70代(でやること)は「ご恩返し」だと思った。今まで自分が培ってきた力を世の中に還元する年齢じゃないかって。自分のために新しい趣味にチャレンジするだけではなくて、これまで蓄えてきた力を社会に役立てる。仕事の経験でも趣味としてやってきたものでもいいと思います」。「のんびりした老後を」と思っている人には、世間への「ご恩返し」はちょっぴり耳に痛い言葉だろう(笑)