大晦日のボクシング・WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチで、王者の井岡一翔(31)(⬆上写真左)が挑戦者の田中恒成(25)(⬆上写真右)を8回TKOで破り、2度目の防衛を果たし、これまで無敗だった田中に16戦目でついに初黒星をつけた。史上初となる日本人の複数階級制覇王者同士の一戦。英大手ブックメーカー・ウィリアムヒル社のオッズでは、田中勝利が1.61倍、井岡勝利が2.30倍と圧倒的に田中勝利が予想されていた。スピードを武器に攻めた田中だったが井岡は、田中が左のパンチを打つときに右ガードが下がる癖を早々と見抜き的確に左フックを当ててゆく⬆。4Rで田中が鼻から出血。5Rでは井岡がカウンターから左フックでダウンを奪い主導権を握ると、6Rでも再び井岡が左フックでダウンを奪う。さらに8Rで井岡の強烈な左フックで田中がぐらつくとレフリーは3度目のダウンと判断し試合を止めた。試合後、3度のダウンを喫した田中選手は「完敗です。こんなに差があったのかと、ビックリしました」と語り、一方の井岡選手は「格の違いみせる、と(試合前)言ってきた。口だけではなく、結果で証明できたことは良かった」と語った。試合前日の計量の場で、圧倒的な勝ちが予想された田中恒成について井岡は「全くというか、存在自体、そこまで気になっていない。見下しているという気持ちはないですけど…。全然、気にはしていない。格の違い、レベルの違い、ボクシングのレベルの差を見せられる試合をできたらいい」と語っていた。強打が売りの田中恒成のガードが下がる癖を見抜き3度の左フックでダウンを奪って勝利した井岡選手が、文字通り「格の違いを見せつけた」試合だったと言えるだろう。