エンゼルス大谷翔平投手が、アストロズ戦で今季2度目の先発、2回途中無安打5四球2失点で降板した⬆。最速156キロを記録したフォーシームは降板直前には140キロ台に急降下し、降板後に右腕の違和感を訴え、病院でMRI検査を受けた結果、「右回内屈筋群の損傷」と診断された。「損傷」の引き金となったのは、この試合で投げた50球中45球目、内角高めの94マイル(約151キロ)直球がマルケス球審にボールと判定され、打者ガルノーに押し出し四球で先制を許した場面だ。エンゼルスのマドン監督は「あれがストライクだったら、30数球で2回を終われたし、違った結果になっていたかもしれない」と、ボール判定をしたマルケス球審への不満を口にした。しかし、大谷が次打者スプリンガーに投げた球速は、89.1マイル〜89.7マイルと143~144キロ台にまで急激に落ち込んだのだ。この時点でマドン監督は交代を告げ大谷はマウンドを降りた。もし、45球目がストライク判定で大谷が2回を投げ終え、引き続き3回のマウンドに上がつたとしたら、大谷の右腕損傷は、より悲惨な結果を産んだに違いない。地元紙オレンジカウンティー・レジスターが「マルケス球審の信じられないストライクゾーンがなければ、大谷は無傷でいられたかもしれない」と報じたが、結果的にはマルケス球審が「ボール判定」したことで大谷の右肘の取り返しのつかない「損傷」を未然に防いでくれたことになる。微妙な判定とされる大谷が投じた45球目、マルケス球審は、恐らく「ストライク」とコールするだけのボールの「威力」を感じなかったにちがいない。