エンゼルスの大谷翔平投手が、敵地・マーリンズ戦に「3番・投手兼DH」で出場し、今季8勝目を挙げた。初回に4試合ぶりの失点を喫したものの、7回を2安打1失点、3戦連続となる2ケタ10三振を奪った。3回裏に見せた圧巻のスプリットで打者を空振り三振に仕留めたシーン⬆。2ストライク1ボールからの5球目は、アウトコース低めに鋭く落ちる89.7マイル(約144.4キロ)のスプリット。これを強振した打者クーパーのバットが空を切り、勢い余ったクーパーの両手からすっぽ抜けたバットは、弧を描きながら自軍ベンチ前まで勢いよく飛んで行ったのだ。打者クーパーが「打てる」と確信したゾーンよりさらに下方まで鋭く落ちた大谷翔平のキレキレのスプリットには、どんな秘密があるのだろうか。米タイム誌が先週、公式ツイッターで、「ショウヘイ・オオタニのような投げ方を覚えよう」とスーツ姿の大谷が持ち球の握り方をアップで見せる43秒間の映像(⬆上写真右)を公開した。この大谷の指をアップした映像の中にその答えがみつけられる。スプリットなどの変化球は人差し指と中指でボールを握り、この2本の指から生みだされる回転力で変化する。アップされた映像を見れば一目瞭然、大谷投手の中指が人差し指より異常に長いことが良く分かる。つまり、人差し指と長い中指との差から生みだされる強い回転力によってボールにエゲツないほどの大きな「落差」が生まれ、バットが空を飛んでいったというわけなのだ。