エンゼルスの大谷投手は、過去3先発で無失点、30奪三振をマーク、4月~5月は防御率3.45だったのに対し、過去4先発では防御率0.34と驚異的なピッチングを披露している。この驚きの投球内容について、米スポーツメディア「スポーティングニュース」が、大谷が活用している「ピッチコム」のおかげだ、とする記事を載せている。大谷投手は、投球の間に⬆(上写真左)のようなグラブを耳に押し当てる仕草をよく見せる。これは捕手との間で打者からのサイン盗みを防止するための新技術「ピッチコム」で捕手からのサインを音声で聴き取っているシーンだ。そういえば日本ハム時代の大谷投手は、サイン交換の際の表情で投げる球種がひと目でわかる投手として有名だった(⬆上写真右)のを思い出した。6月2日のヤンキース戦で大谷投手が3本塁打を浴びるなど3回8安打4失点で降板した試合では、序盤に「ピッチコム」が故障したため大谷の表情の変化で投げる球種を見破られていた、と当時のマドン監督が指摘していた。大谷投手がピッチコムでサインをやり取りすれば、打者は大谷の表情の変化で次に投げる球種を見破ることはできない。勿論、大谷投手の160キロを超えるストレートやヨコに大きく変化するスライダー、タテに大きく落ちるスプリッ ト、一瞬浮いてから大きく落ちるカーブなど多彩な球種の威力によって無失点勝利が生まれているのだが、投げる球種を打者が見破れない「ピッチコム」は大谷投手にとってまさに「鬼に金棒」の秘密兵器だろう。