ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

江戸時代フランス人ドイツ人に「ハンカチは不潔」と教えた日本人。

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新型コロナウイルス感染症による各国の死者数の差をめぐり、麻生太郎財務相が「民度のレベルが違う」と発言したことが大きな話題を呼んだ。「民度」というより伝統的に「衛生意識」の高い民族であった日本人。諸外国に比べてその意識が高かった事実を、150年以上前の江戸時代に日本を訪れた外国人達が証言している。慶応2年1866年に来日したフランス海軍士官スエンソンは、『日本素描』(Fra All Lande)の中で、「西洋人は一日中不潔なハンカチをポケットに入れて持ち歩く。それが(日本人は)どうしてもわからぬと言った」と書き記し、慶応元年1865年に来日したドイツの考古学者シュリーマンも日本旅行記(Japon au temps présent )の中で「彼ら(日本人)は、われわれが同じハンカチーフを何日も持ち歩いているのに、ゾッとしていた」と書き残している。江戸時代の日本には、すでに古紙を溶かして漉きなおした再生紙のちり紙「浅草紙」が普及していて庶民の日用紙として、現代のテッシュペーパーのように広く用いられていたためだ。日本人はいつごろから衛生用品として「紙」を利用していたのか。12世紀後期平安時代の「餓鬼草紙」に排便中の童子の周辺にすでにちり紙のようなものが描かれている(⬆上の図)のにも驚かされる。これほど古代から「衛生意識」が発達していた民族である日本人が、先進国の中で唯一コロナ封じ込めに成功しつつあるのは、麻生太郎財務相が自慢してみせたように、当然といえば当然の帰結なのかもしれない。