先週、日本でも公開された映画『キャッツ』が、全国映画動員ランキングで堂々の1位に輝いた。舞台版ミュージカルでもロングランを続ける「キャッツ」が映画でも動員数が多かったのは当然と思われがちだが、本場のアメリカを始めとする世界的な規模で観客動員がまったく振るわず、興行収入はわずか6600万ドル。製作配給元のユニバーサルは、およそ1億ドル(約110億円)の赤字をかぶると見られている。日本人に愛される「キャッツ」がなぜこれほどまでに海外の国々では不人気なのか?その理由としては、CGで毛皮を合成された俳優達の猫の扮装(⬆上の写真)が、青い目の人々には不気味に見えるからだという。「これは猫なの? 人間なの?」「猫じゃなくてミュータントだろ」「気持ち悪い」などの声があがり、批評家からも「この10年で最大の災害」「その不気味な映像は、何世代にもわたって視聴者を悩ませるに違いない」「ホラーであり、忍耐テスト」「まるで集団幻覚を見せられているようだった」など酷評されたという。舞台ミュージカルの「キャッツ」では、出演者は本来の猫ではなくて人間の象徴としての猫であったのに、映画の「キャッツ」では、CGを使ってリアリズムにこだわり、その結果出来上がったものは「猫と人間の中間種」である「猫人間」にすぎず、「気持ち悪い」と嫌われてしまったと言う訳だ。しかし、コケージャン(白人種)が感じる「気持ち悪さ」を感じていないモンゴロイド(黄色人種)の日本人が、映画の「キャッツ」も舞台の「キャッツ」同様に愛してくれた事に、アメリカの製作者達は、ホッと胸をなでおろしているに違いない(笑)