ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「自分が死ぬシナリオは書けない」と名脚本家山田太一氏。

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『男たちの旅路』(NHK)や『ふぞろいの林檎たち』『岸辺のアルバム』(TBS系)などのドラマや、'90年公開の映画『少年時代』など数々の名作を手がけた脚本界の大御所、山田太一氏が3年前83歳で脳出血で倒れて以降、公の場に姿を見せなくなった。それでも昨年10月、番組スタッフが粘り強く何度も手紙でオファーし続けたという「NHKラジオ深夜便」に出演し、自らの死生観について語っている。インタビュアーから「これから書きたいテーマ」を尋ねられると、85歳の山田氏は、「それは今、本当に自分本位に考えれば、死を待っているわけですから、死ぬということがどういうことかということを、ワッと書けたら素晴らしいと思いますけどね」と答え、85歳で「死を待っている」自分の現在の状態について「気がつくと、いつ死ぬかわからない。それが人間の最後の物足りなさということに気がついたことがありまして、それが自分で1番大きな問題になってしまいました。いつ死ぬかわからないというのは、非常にあいまいで、いつ死ぬかわからないというのが、今いちばんの悩みです」と答えている。多くの人々の心を惹きつける人気ドラマの脚本はあれほど書けたのに、「自分が死ぬシナリオは書けない」と言う名脚本家の嘆きは、なぜだか、胸に鋭く突き刺ささってくる。