任天堂のキャラクター「ポケモン」が世界中で大ブームを起こしている。スマホの位置情報(GPS)を活用して実際に外を歩き回って現実世界に重なって現れるポケモンを捕まえる「ポケモンGO」の大ヒットを始め、世界中の子供達を熱狂させているポケモンカード、ポケモンのTVアニメはアメリカを始めヨーロッパやアジアなど、世界中の98の国と地域で放送されている。ポケモンの売り上げも国内の売上の割合と比べてみても海外での売上が全体売上の65%を占めるほど、日本国内より圧倒的に世界の国々の人々が「ポケモン」のキャラクターにぞっこんなのだ。これまで海外では「クールでカッコイイ」キャラクターが受けることがほとんどだったのに日本固有の「かわいい」キャラクター「ポケモン」がこれほど人気を得たことは実に驚異的だ。米国の新聞ニューヨーク・タイムズは、ポケモン人気について「チーム作りや助け合いの精神といった米国社会では大して報いられない価値観が強調されている著しく日本的なストウリー」が人気を博した理由だと分析している。確かにパーティ作りなどでも、弱点を補い合う編成にしなければ強いパーティは作れず、モンスターの通信交換なども相手がいて成立するものだ。これまでチームビルディング(助け合い精神)の価値について海外の人々がほとんど気付かずにいたのを、「ポケモン」によってあらためて気付かされたというわけだ。日本固有の「和の心」がポケモンを通して世界中に拡散してゆく、我々日本人にとって何となく誇らしく思える現象だ。