ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

退屈なボクシングが豹変、4階級を制覇した井岡一翔の勇気ある「一歩」。

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WBO世界スーパーフライ級王座決定戦で、圧倒的に不利が予想された同級2位の井岡一翔が同級1位のアストン・パリクテを10回1分46秒TKOで下し日本人初となる4階級制覇を成し遂げた。拮抗した試合展開は7Rになってヤマ場が訪れた。パリクテが至近距離から足を止めて猛ラッシュを仕掛けてきた。「何発かで止まるかなと思ってブロックしていたが、ずっと連打してきた。勝負にきたと思った」ガードの上からでも体格に勝るパリクテのパンチには威力があり「脳が揺れた」という井岡。足元が狂い思わずスリップダウンを喫して防戦一方になったかに見えた井岡が、ここから反撃に出る「ここで打ち勝たないと勝てない。僕も覚悟を持って思い切り打ち合った」左フックからボディを執拗に攻め、打ち疲れたパリクテに左右のストレートがヒットする。「ボディも効いていた。下がらずに打ち勝てた。あれで相手の気持ちも折れたかなと」8、9ラウンドは急激にパリクテの圧力が弱まった。そして運命の10ラウンド。それまで「警戒されて合わせるのが難しかった」右のカウンターが、パリクテの顔面を一瞬で捉えた。パリクテが下がる。それを井岡は見逃さなかった。「効いたとわかった。ここしかないと」井岡は左のボディのダブル打ちでパリクテを後退させると身長で4センチ差あるパリクテを見上げるようにして井岡は上に向かって打ち続けた。左・右・左・右……の16連発。すべてが的確にヒットし続けてロープを背にして棒立ちになったパリクテが反応できなくなったと判断したレフェリーが、2人の間に割って入りTKOを宣言した。試合後、「勇気ある(前への)一歩」についてなぜできた?と問われた井岡は、こう答えている。「負けられないから。勝つために何をやるか。だから(勇気を持って)一歩踏み入れた」と。