ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

父と手を切ったから、手に入った井岡一翔の4階級日本人初制覇。

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元世界3階級王者で、WBO世界スーパーフライ級2位の井岡一翔(30)が、同級1位のアストン・パリクテ(28)を10RTKOで破り、日本人初の世界4階級制覇を達成した。井岡は2年前の17年大みそかに一度引退を表明している、「プロになって3階級制覇が父との目標でした。叔父である井岡弘樹が2階級王者なのでそれも超えたかった。その目標を達成した時に引退が心によぎり、「別の道」に進みたいとおもいました。5度目の防衛をし、今がその時だとおもいました」と3階級制覇を共に戦った父親と叔父とに対しての「決別宣言」を行ったのだ。そして単身渡米し、ラスベガスで名伯楽として名高いイスマエル・サラス(⬆上の写真左)の元でボクサーとして「別の道」をスタートさせた。父親や叔父がセコンドを務めていた2年前までの試合運びとはまるで違った今回の井岡のボクシングスタイル、父親のトレーナー時代にはなかったインファイトを多く取り入れた戦いぶりを見せながら時間を掛けて少しずつ丁寧に相手を削っていき、ここが勝機と見るや一気に勝負を掛けるという実に新鮮な闘いぶりを見せたのだ。父親と組んでいた2年前の井岡なら、慎重に相手のダメージを見極めていたのに、今回の試合では勇気を持って被弾覚悟で何度も踏み込んで見せた。相手のパリクテはインファイトに持ち込み繰り返し踏み込んで来る井岡選手に、やりにくそうな表情を何度も見せた。これだけ鋭い攻めをする井岡を見たのは初めてかも知れない。2年前までは、父や叔父に教えられた通りに、技術がしっかりしてガードの下がらない綺麗なボクシングをするのが井岡選手のスタイルだったのに、今回の試合では前に出て打ち合うスタイルもプラスされて井岡選手の2年前とは違うひと皮むけたような進化を見せつけたのだ。父親や叔父と手を切ってまで「自分のボクシング」を極めようとした井岡選手、日本人初の4階級制覇の偉業を手にした彼に、心からの拍手を贈りたい。