ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

外国人が日本生活で注目の言葉「居留守」海外には無いの?

アメリカのオンラインメディアBuzzFeedに、日本の生活で必要な言葉のひとつとしてirusu(居留守)⬆が画像で紹介されている。この説明文には、「家に誰も居ないフリをする」とあるが、日本語では「居留守」と3文字熟語で収まってしまうのに、英語だとこれを一語で表すワードは存在しないのをご存知だろうか。日本語でいう「居留守」とは、126年前、1896年の尾崎紅葉の小説「多情多恨」にも出てくる古くから我が国で使われてきた用語で「家にいるけれども居ないフリをする」という意味で、多くの場合自宅にやってくる様々な勧誘や強引なセールスなど対応するのが面倒くさい相手に対して用いられる便利な言葉だ。英語圏の国々でも、訪問販売員やしつこい宗教への勧誘などに対して「自宅にいるのに応答しない」といった行動は頻繁に行われているが、そもそも「居留守」にあたる行動をpretend(フリをする)という言葉を用いて表現することはしない。「家にいないフリをする」というあいまいな表現ではなく、「応答しないことを自分は選んだ」というストレートな言い方をする。英語圏の人々が日本語「居留守」を日本で生活するのに必要な言葉として選んだのは、この言葉の中に「留守のフリ」をされた人に対する日本人らしい思いやりの気持ちやあわれみという細やかな心配りが込められているからに違いない。