ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

二流でイイと思ってたのに一流になれた脚本家橋田壽賀子さん。

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今年で93歳を迎える脚本家の橋田壽賀子さん。彼女は常々自分の生き方は「二流だ」が口ぐせだ。女学校時代に12人制バレーボールをしていた橋田さんはいつも13番目の選手で試合に出られずボール磨きばかりさせられていて「これって楽だな」と二流であることの楽さを自覚したのが最初だという。自分が二流だと思えば無理をせず、誰かと争う必要もなく楽だということを学んだ橋田さんは、はじめ映画会社の脚本家だったのを辞めて、映画が一流テレビは二流と言われていたテレビドラマの草創期にテレビドラマの脚本を書きはじめた。テレビドラマの世界でも「自分は二流三流の脚本家で十分だ」と思ったら「脚本はいくらでも早く書けるし疲れない」事を知り、逆に一流の脚本家だと言われたら「ここから落ちたら大変だと思うでしょ。私にはそれは無かった、二流だから」と語っている。しかし「自分が二流だから見る方にわかってもらえるドラマを書こうと努力してきました」とも述べている。橋田さんが「おしん」や「渡る世間は鬼ばかり」で高視聴率を産んだのはまさに彼女が心がけた「見る方にわかってもらえるドラマ」を書いたからだ。そして有名な長いセリフについては「私は二流(の脚本家)ですから言葉を厳選せずに思うことを伝えたいと書くからやたらとセリフが長くなってしまう」と語っている。「思うことを伝えたいからセリフが長くなる」これもまた高視聴率を稼いだ理由の一つだろう。橋田ドラマが二流主義に徹することで結果的には一流のドラマに変貌してしまったという事実を見ると、ひたすら一流を目指して努力している人々にとって、さぞや耳の痛い話ではないだろうか(笑)