正月に放送されたテレビ番組「芸能人格付けチェック」が史上初の平均視聴率21・2%(ビデオリサーチ調べ)を記録した。正月特番としてはぶっちぎりの1位だったという。その人気の理由は、出演者が“高級品”と“安物”を見分ける問題に挑戦し、正解数に応じて、“一流芸能人”から“映す価値なし”まで芸能人としてのランク付けを行うという単純明快な内容。大御所と言われる芸能人たちが、高級な牛肉と豚肉の区別もつかず、“映す価値なし”とまでレッテルを貼られ、司会の浜ちゃんからこき下ろされる、その芸能人たちが赤っ恥をさらす爽快感がたまらない、ということのようだ。自分は傍観者の立場でいて、他人が失敗に見舞われたのを見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった感情が沸き起こるのは、日本人特有のモノのようだ。アメリカの女性人類学者ルース・ベネディクト氏が書いた著書「菊と刀」の中で、欧米人の文化は「罪を基調とする文化」なのに対して日本の文化は「恥を基調とする文化」である、と指摘したが、高視聴率を稼いだ「芸能人格付けチェック」の話を聞く限りでは、他人のかいた恥を笑いたがる人たちが日本ではこんなにも多いのかとあらためて認識させられた。「罪の文化」の欧米では人は常に「正しいか正しくないか」が問われるが「恥の文化」の日本人は常に「恥ずかしいか恥ずかしくないか」が問題にされる、だからこそ、芸能人がみんなの前で恥をかく「格付けチェック」が高視聴率を取ったという事だろう(笑)