ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

’98長野冬季五輪、閉会式の空気を変えた欽ちゃんの「セーの!」。

1980年代「欽ちゃんの」と名前を冠したコメディ番組が軒並み高視聴率を挙げ「視聴率100%男」と呼ばれていたコメディアンの萩本欽一さん。その彼が、25年前の1998年長野冬季五輪で、世界中が注目するイベント「オリンピック閉会式」の司会という大役を任された⬆。20世紀最後の冬季五輪となった長野五輪。世界的イベントである五輪は、同時通訳がつき、その模様は世界中に中継される。そのため、司会の欽ちゃんにもアドリブ禁止で台本通りのセリフによる進行が求められた。閉会式は、台本通り順調に進行し、いよいよフィナーレが近づいてきた。聖火が消えたあと、台本に書かれていた司会の欽ちゃんの最後のセリフは「選手の皆さんありがとうございました」だった。しかし欽ちゃんは「僕だけがありがとうじゃなくて、ここに居る観客もテレビを見ている国民の皆さんもありがとうって言いたいんじゃないかな」とふと思った。そう感じるまま、とっさに「僕だけでなく皆さんも選手たちに『ありがとう』と言おう。セーの!」とアドリブで競技会場全体に向かって、持っていたマイクを向けた。次の瞬間、「ありがとう!」「ありがとう!」の声が競技会場中に合唱のように響き渡り、長野五輪の閉会式にふさわしい感動的なフィナーレとなった。会場に居た観客の心ををとっさに読み取った欽ちゃんのアドリブ禁止を破った「セーの!」の掛け声、「視聴率100%男」の面目躍如だったと思いませんか。