ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

何と独学で10年間勉強、オスカーを手にした特殊メイクの辻一弘氏。

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先月のアカデミー賞でメイクアップ&ヘアスタイリング賞の部門で日本人初の受賞者となった辻一弘氏。メイクアップアーティストを5年前に辞めて現在はモダンアートの作品を手がける芸術家だが、なぜアカデミー賞を受賞できたのか。今回の受賞作品「ウィンストン。チャーチル」で辻氏と一緒にアカデミー主演男優賞を同時に受賞したゲイリー・オールドマンからのたっての願いがあったからだ。オールドマンは、以前から辻のメイクアップ技術を高く評価していてメールで「特殊メイクを引き受けてほしい。君が受けないならこの役を(自分は)断るつもりだ」と打診があり特殊メイクを辞めていた辻は1週間悩んだ末にこの仕事を引き受けたのだという。アカデミー俳優がこれほど惚れ込んだ辻一弘の特殊メイクの技術はどこで学んだのだろうか。それが驚くことに専門学校で学んだのではなく独学で習得したと言うから驚きだ。その理由は、高校生の時に映画「リンカーン」で大統領そっくりの特殊メイクに感動しそのメイクを手掛けた特殊メイクの第一人者ディック・スミス氏に手紙を出したところ特殊メイクの技術習得は「アメリカにも専門学校はないので独学しかない」と答えが返ってきたのがその理由だった。それから約10年近く独学でアメリカの技術書を訳しながら特殊メイクの技術を身に着けて27歳で渡米、憧れのディック・スミス氏に師事して多くの映画作品でその高い技術が評価され、48歳にしてオスカーを手にしたというわけだ。アカデミー賞受賞後のインタビューで「自分を信じやりたいことをやり続けてるとどんどん良いことにつながってゆく。今回のアカデミー賞受賞は映画から離れたことを含めて自分(の生き方)は正しかったと思う」と語っている。サクセスの大きなヒントになる辻氏の含蓄のある言葉ではないだろうか。