ネット通販での支払いやお財布ケータイなどの時代の流れで我が国でも現金よりカード支払いが主流になっていると思われがちだが、実は世界の国々に比べて我が国はカード決済の普及率が世界最低水準の10%にとどまっているキャッシュレス後進国であるのをご存知だろうか。つまり日本人は支払いの90%を現金で行っているという計算だ。IT先進国である日本がいまだに「現金第一主義」が主流を占めている事を世界の国々が不思議がっている。この事について「物乞い」までがカードでの支払いを受け取っているキャッシュレス全盛の中国のメディアが日本人の現金主義を分析した内容が興味深い。日本人が現金支払いにこだわり続ける理由の第一は「日本人は銀行や行政を信用しており、ニセ札の流通もほとんど無く治安が良いためお札に対する信頼性や安全性を感じている」からとしている。そして現金払いの特長として「匿名性」をあげている。カードやモバイル決済と違って現金なら自分が何にお金を使ったかがデータとして残らないためプライバシーを侵害されないからという理由だ。さらには自分のお財布から現金を取り出して支払えば自分の消費感覚が確実に把握できるから、という。そしてこの分析の最後では「日本では紙幣そのものが幸福感の象徴であり日本人の現金崇拝主義は今後も変わらないだろう」と予測している。果たして、カード決済が嫌いな日本人はこれからも世界でもっとも安全性と信頼性の髙いお札の入った「お財布」を大事に持ち歩きつづけてゆくのだろうか。