ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「我は死神なり」原爆の父オッペンハイマーが背負った十字架。

アカデミー賞を受賞した映画「オッペンハイマー」で一躍その名がクローズアップされた原爆の父オッペンハイマー。1942年に原子爆弾開発を目指す米国政府による「マンハッタン計画」のリーダーとして世界で最初の原爆を開発、それが広島市長崎市に投下された。第2次世界対戦集結の2ヶ月後、トルーマン大統領とホワイトハウスで初対面した際、「大統領、私は自分の手が血塗られているように感じます」と語ったオッペンハイマー。トルーマンはこれに憤慨、彼のことを「泣き虫」と罵り、二度と彼に会うことは無かったという。オッペンハイマーは後年、古代インドの聖典の一節、ヴィシュヌ神の化身クリシュナが、闘うことに消極的な王子アルジュナを説得するために恐ろしい姿に変身し「我は死神なり、世界の破壊者なり」と語った部分(11章32節)を引用してクリシュナと自分自身を重ね「広島・長崎への原爆投下後、世界はそれまでと変わってしまった。我は死神なり、世界の破壊者なり」と懺悔の言葉を残している⬆。死の2年前のインタビューで、オッペンハイマーは原爆開発について「大義があったと信じている。しかし、科学者として自然について研究することから逸脱して、人類の歴史の流れを変えてしまった。私には答えがない」と語っている。  原爆を開発したオッペンハイマーも原爆で被爆した広島・長崎の人々も同時に不幸にした「原子爆弾」、地球上で再び使用されることが無い事を願ってやまない。