ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

井上尚弥の、ガードを突き破るパンチでKOされたタパレス。

WBC&WBO&WBA&IBF世界スーパーバンタム級4団体王座統一戦で井上尚弥選手に10RKO負けしたWBA&IBFの2階級王者マーロン・タパレス選手 ⬆。試合後の記者会見で「井上選手はスピードが速かったので、それに追いつけなかったのが敗因だ」と語った。しかし、今年7月WBC&WBOスーパーバンタム級王座決勝戦で井上選手がフルトン選手に8RKO勝利した試合をリング下で観戦していたタパレス選手は、井上選手のパンチスピードを自分の目で確かめていたはずなのに、リング上で対戦した井上選手のパンチスピードになぜ面食らったのか。つまり、タパレス選手が見ていたパンチと実際に体で受けたパンチのスピードの「差」はどうして生まれたのかだ。その理由は、パンチのパワーと打つタイミングと打つ角度の相乗作用によって生みだされる井上選手の鋭いパンチをタパレス選手が初めて「体感」したからだ。井上選手の強打を警戒してガードを高く上げたタパレス選手が最初にダウンした4Rのシーン、井上選手はガードの隙間からねじ込むように角度を付けた左フックを打ち込み畳み掛ける連打でタパレスをダウンさせた。そして迎えた10R、タパレスが首を後方にズラし強打をガードする姿勢を見てとった井上選手は、瞬時にワンツー攻撃スタイルにスイッチ、左のワンで踏み込み、ツーで放ったガードを突き破る右ストレートをテンプルに命中させタパレスを見事に倒したのだ。「イノウエのスピードに負けた」と語ったタパレス、そのスピードとは、相手の動きに瞬時に対応しパンチを当てる井上尚弥の超絶テクニックを指しての発言と思われる。