この所、連日続く猛暑、テレビなどメディアは、これは「地球温暖化」が原因だから一刻も早く化石燃料の消費を減らすべきだと訴えるが、地球温暖化のエキスパートで慶應義塾大学特任教授の杉山大志氏は、連日の猛暑は「地球温暖化」が原因ではないと力説する。日本における「地球温暖化」は、気象庁発表で100年あたり1.1~1.2℃程度とされているが、このデータには都市化等の影響が混入していて、それを補正すると100年間での気温上昇は、わずか0.7℃程度であるという。つまり、猛暑が例年に比べて3〜4℃高いというのは「地球温暖化」のせいではなく気圧配置の変化やジェット気流の蛇行など、「自然変動」が原因と考えるのが正しいのだという。例えば⬆気象庁が作成した上の図をみると、2018年東日本は猛暑だったけれども、北海道や九州南部では猛暑ではなかったことが、ひと目で分かる。つまり、「日本が地球温暖化のせいで暑くなった」のではなく、「日本の一部が自然変動のせいで暑くなった」ことをこの図が示している。また、気温を上げる原因としては、100年でわずか0.7℃上昇の「地球温暖化」よりもはるかに大きいのが、アスファルトやコンクリートが増え、ヒートアイランド現象が起きて暑くなる「都市熱」が考えられるという。100年あたりでは東京は3.2℃、大阪は2.8℃、名古屋は2.6℃と大都市圏ではいずれも気温が上昇した。テレビなどのメディアは、猛暑を「地球温暖化」のせいと無責任な報道をせずに、「自然変動」や「都市熱」が原因であることに注目すべきではないかと杉山教授は指摘している。