ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

「コンドルは飛んでゆく」は、「アメリカ人帰れ」の曲。

名曲「コンドルは飛んでいく」は、1970年にサイモン&ガーファンクルが英語の歌詞を書き下ろしてカバーしたことで世界的に大ヒットし、ペルーのみならずアンデス地域を象徴する曲として知られる名曲となった。この曲は1913年ペルー人作曲家であり民俗音楽研究家であったダニエル・アロミア=ロブレスが、自身で採譜した伝承曲のメロディをモチーフにしてサルスエラ(オペラの一種)の序曲として発表された。このサルスエラ(歌劇)は、ペルーの先住民鉱山労働者の団結とアメリカ人鉱山主との闘争を謳ったかなり政治的メッセージ色の強いもので、序曲の「コンドルは飛んでいく」原曲には歌詞がついていなかった。このサルスエラ(歌劇)は当時かなり話題を呼んだがその内容があまりにも政治的に過激であったためかその後、上演されなくなり美しいメロディを持った序曲「コンドルは飛んでゆく」だけが民族音楽化して残ったのだ。その後、半世紀を経て世界の民族音楽に強い関心を持っていたサイモン&ガーファンクルが原曲に自作の歌詞を付けて発表した「コンドルが飛んでゆく」が世界的に大ブレイクしたというわけだ。ペルーの先住民を搾取する「アメリカ人帰れ」という思いを込めて作られた「コンドルは飛んでゆく」が、アメリカ人のデュオ「サイモンとガーファンクル」によって世界的な名曲となったのは実に皮肉なめぐり合わせだった。