ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

芥川龍之介は、独創性のないコピー小説家だった。

Yahoo知恵袋に「芥川龍之介は、古い話や言い伝えをリライトしただけの作家ではないのですか? ゼロから話を作り上げる他の作家に比べて、芥川のオリジナリティはどこに出てくるのかが分かりません。 なぜ「手抜き作家」という評価を受けないのでしょう」という疑問の声が投稿された。確かに、「羅生門」「鼻」「芋粥」「藪の中」「六の宮の姫君」などは古典の「今昔物語」からのリライト小説だ。芥川が晩年に書いた「闇中(暗闇)問答」に創作作法について、芥川本人の答が記されている。(或る声)お前の書いたものは独創的か?(僕)いや決して独創的ではない。第一誰が独創的だったのだ?古今の天才の書いたものでもプロトタイプ(原型)は至る所にある。就中(とりわけ)、僕は度々盗んだ、と芥川は堂々と「盗んだ」と書いているのだ。確かに、他の小説家の作品の中にも芥川が言うようにプロトタイプ(元ネタ)がある小説作品は数多い。芥川以降でも元ネタを模倣する手法を好んだ作家として、大宰治、坂口安吾、三島由紀夫などが有名だ。作家というものは「99%の【模倣】と1%の【個性・独創性】かあれば小説の構成は成り立つという異説もある。しかし、「第一誰が独創的だったのだ?」と独創性というものを敢然と否定した芥川龍之介の小説家としての姿勢はいただけない。小説とは、1%の着想のヒント(元ネタ)と99%の独創性で成り立つのが本来の姿ではなかろうか。