ノーネクタイのMy Way

ネクタイを外したら、忙しかった時計の針の回転がゆっくりと回り始めて、草むらの虫の音や夕焼けの美しさ金木犀の香りなどにふと気付かされる人間らしい五感が戻ってきたような感じがします。「人間らしく生きようや人間なのだから」そんな想いを込めてMywayメッセージを日々綴って行こうと思っています。

あの小説家の鬼才、芥川龍之介も関東大震災のデマに乗せられた。

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大阪を不意に襲った震度6弱の地震。地震の後、ツィツターやSNS上に事実ではないデマ情報が投稿され拡散した。「京阪電車が脱線してる」とか「京セラドームの屋根に亀裂が入っている」さらには「シマウマが脱走」というデマもあった。そんな中、外国人への差別意識を煽るような投稿もあったという。「外国人は地震に慣れてないから真っ先にコンビニ強盗をするか空港に殺到する」というデマ情報、それで思い出されるのが95年前に起こった関東大震災でデマ情報を信じた日本人の手によって多くの在日朝鮮人が虐殺された事件だ。「大震災の混乱に乗じて在日朝鮮人が放火や凶悪犯罪や暴動を画策している」というデマが拡散し、東京都内でも町内会ごとに自警団を組織し朝鮮人虐殺が始まったという。この頃、小説家の芥川龍之介も自宅の有る田端で組織された自警団に加わっていた。近所付き合い上のやむを得ない芥川の自警団入りだったとされるが、彼が記した「大震雑記」の中で友人の小説家菊池寛と交わした会話が載っている。芥川は「(関東大震災の)大火の原因は不逞鮮人(朝鮮人)の放火だそうだ」と菊地に語り、「嘘だよ、君」と菊地に一喝されたという。さらに芥川は「不逞鮮人はポルシェヴィッキ(ロシアの暴力革命家)の手先だそうだ」と言うと菊地は「嘘さ、君そんなことは」と芥川を叱りつけたという。約1世紀前、日本を代表する知識人でもあった芥川龍之介でさえ根も葉もないこんなデマ話を半ば信じているかようなその口振りには驚きを禁じ得ない。ひいては95年前の我が国で起こったデマによる大量殺人の悲劇が現代でもスマホを介して起こりうることを今回の地震デマ騒動でふと感じるのは、私ひとりの老婆心だろうか。